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07<女性>

「二丁目のたいやき」経営
元木さん ※ご本人の希望により、お名前の掲載は控えさせていただいています。

酒田市亀ヶ崎2丁目の住宅街に、冬の間だけ開店する「二丁目のたいやき」があります。「しっぽまであんこが入っていて食べ応え◎」「小豆の甘さがちょうどよい」などと評判になり、ご近所さんから遠くの人まで足を運びます。おいしさに加え、ご夫婦のあったかい雰囲気もあり、居心地が良いことも人気の秘密です。新しい生きがいを見つけ、ご主人と第二の人生を楽しむ元木さんに、現在の働き方について伺いました。

趣味を生かして長年の夢を実現

たい焼き柄のエプロンとバンダナを身に着け、ご主人と手際よくたい焼きを焼く姿はその道何十年というように見えますが、お店を始めたのは9年前とのこと。元木さんは、会社勤めと子育てを両立しながら「娘が就職したら仕事を辞めて、いつか自分で何かお店を開きたい」という夢を持っていました。製造の仕事で人並みの苦労もあったそうですが、例えば旅先で美味しい田楽餅にめぐり合った時は、お店で作るものの候補として想像し、「その田楽餅を、娘の文化祭で一緒に作って実際に販売したこともあったんですよ」と、行動力のある元木さんです。退職して7、8年は義母の介護をしながらパートの仕事をする日々を送っていましたが、義母が亡くなり、徐々に自分の時間を持てるように。それから夢の実現に向かって歩み始めました。元木さんご夫婦の長年の趣味は、昔ながらのおいしいたい焼きづくりでした。そのため、培った技術を生かして第二の人生をスタートさせることにしました。

 

自宅を生かして設備は最小限夫婦二人三脚で作るお店づくり

お店を始めるにあたり、たい焼きづくりに必要な器具をそろえ、小豆と生地との調和のとれた配合量を決めるため、何度も試作を繰り返しました。宣伝のチラシや掲示板の作成などは会社に勤めていた時の経験を活かし自分でやっているそうです。「主人はまめな性格で、キッチンを使いやすいように改良してくれたり、冬場は駐車場の除雪をしてくれたりしてとても助かっています。二人でなければお店を続けていけないから、ずっと健康でいたいね」と笑顔で話していました。

 

公私のバランスを保ちながら無理なく柔軟に働く

「今の暮らしは仕事とプライベートのバランスがちょうど良い。たい焼き店をやりながら合間に家事仕事もできるので、自宅でお店をやっていてよかったと思います」と元木さん。可能な範囲で、お店の開店時間に関わらず注文を受けたり、大量の注文にもできるだけ柔軟に対応しているといいます。同じ町内に次女家族が住んでいることもあり、お互いに心強く、必要な時はお互いに助け合っているそうです。冬季営業であることにより、夏休みの間に来シーズンの準備をしながら少しゆっくりしたり、友人との時間をとるなどして、公私のバランスがとれた働き方をする元木さんの、清々しい笑顔が印象的でした。
自分で事業を始めることは勇気が必要だし、責任を伴うこと。しかし、時間の融通がきくことやさまざまな出会いがあること、自分の作ったものを喜んでもらえることなど、プラスの面がたくさんあります。退職すると生きがいを失うという話も聞きますが、会社勤めで培った力を生かして、自分だからこそできる仕事を始めるのが楽しい。元木さんの生き生きした姿から、そんな明るい未来を見せてもらいました。

 

 

 

 

【店舗データ】

二丁目のたいやき
〒998-0842
山形県酒田市亀ケ崎2丁目20-22
0234-26-6712