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社会福祉法人 道形保育会の2つ目の園として開園した「ちわら菜の花こども園」。子どもがいて緊張感も多い現場での働きやすさとは? 他業種出身の園長がリードして取り組むよりよい働き方の環境整備とはどんなものがあるのか、お話を伺いました。

05<企業>
保育所/幼保連携型認定こども園の運営
社会福祉法人 道形保育会 (道形保育園/ちわら菜の花こども園)

【お話を伺った人】

ちわら菜の花こども園 園長
菅原 光輝(すがわら こうき)さん

ワーク・ライフ・バランスを推進したきっかけ

異業種で働いてきた私には、保育の現場は少し閉ざされた空間だと感じられました。精神的にまいってしまうと、仕事を続けることが困難になりかねません。一方で、どんな職場でも不平不満はあるものです。仕事は、イヤイヤするのではなく楽しくしてほしい、という思いがありました。職員を大切にしたい、自分の職場に他の人を誘えるような職場にしよう。そんな組織を目指そうと思ったのがきっかけです。

「園長先生〜!」と元気な子どもたちの声に笑顔で応える菅原さん

 

働きやすい環境づくりへの取り組み

働きやすい環境づくりには、働いている人たちが、日ごろ感じていることを聞くことが大切です。そこで、アンテナを張って職員の声に耳を傾けることから始めました。10年ほど前、職員に「仕事をしていて大変なことは何か」と聞くと、ほとんどの方が「休みを取りづらい」と答えたのです。そこで、私が働いていた企業にあった「誕生日休暇制度」を取り入れました。ほかには、勤続20年以上の職員には「プラス2day休暇制度」、勤続5・10・15年目と5年ごとの節目には「プラス1day休暇制度」を、家族の誕生日など職員にとって大切な日に取得できる「アニバーサリー休暇制度」があります。

また、心の肥やしやストレス解消を目的に映画鑑賞のために2時間の有給休暇を取得できる「プレミアムサーズデー(豊かな木曜日)」があります。仕事に熱心な分、狭くなりがちな視野を広げ、さまざまな立場や考え方を見聞きして、リフレッシュにもつながるのではと導入しました。今現在は、コロナ禍ということもあり一時ストップしています。

保育の職場は女性が多い職場です。育児休暇についても「記念すべき初めての誕生日から働くのはつらい」との声から、1歳のお誕生日は有給休暇として家族でお祝いをしてもらい、次の日から職場復帰できるよう整えました。希望制ではありますが、小学校入学までの子どもがいる職員は、正職員のまま6時間の短縮勤務に切り替えることもできます。

また講習会や勉強会など、園外で行われる研修へ積極的に参加できるよう、バックアップもしています。学ぶことはもちろん、そこで出会った方々とコミュニケーションをとることで、新鮮な考えを手に入れてほしいと考えています。

各部屋の窓は黄色い菜の花形に抜かれ、閉塞感を軽減。廊下も明るく開放的だ

 

取り組みの成果として、実感していること

最初に着手したのは「誕生日休暇制度」でしたが、始める前はできないのではという不安の声もありました。しかし、実際に始めてみると、シフトを組む職員は大変なようですが、何とかできることがわかりました。今では、休みを取ることは定着しています。できないだろう、とあきらめていたことも「やればできるんだ」と職員に意識が芽生えたことは、とても大きな収穫だと思っています。そこから少しずつですが、より働きやすい職場になるよう、意見を声に出してくれるようになってきていると感じています。

数年かけて苗木が育ち、豊かな園庭になる……そんな未来を想像すると楽しみ

働き方改革に着手するために、取り組みやすい事例

実は、コロナ禍以前から、事務仕事をテレワークにできないかと考えていました。職場に来ればほかのことを頼まれたりと、どうしても事務仕事に集中することが難しい状況です。家では環境が整わないことが多いので、当時は図書館などの公的施設を利用してのテレワークを考えていましたが、今後は他の方向で取り組んでいきたいと考えています。

 

企業や組織によって、問題となる場所が違うように、働き方改革もそれぞれだと思います。まずはどこに問題があり、どのような不満があるのかを知るためにアンテナを張ること、知ろうとすることから始めるのが良いのではと思います。不満というものは部署を超えていろんなところに伝播していくものです。変化することは、最初は抵抗されるかもしれません。より良い組織を目指し、仕事の実情に合ったやり方でチャレンジすること、失敗を恐れずにまずは「やってみる」ことをお勧めします。

【企業紹介】

社会福祉法人 道形保育会 ちわら菜の花こども園

事業内容:幼保連携型認定こども園

所在地: 山形県鶴岡市茅原字西茅原129-1

設立年月:2020年4月

職員数:30名(男性2名、女性28名)

 

〈令和3年度山形県多様な働き方情報発信事業〉

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