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株式会社小松写真印刷は、印刷事業を基軸にweb制作やドローン撮影、イベント企画・運営など多岐にわたる事業を展開しています。幅広い年代が勤務しており、仕事と家庭の両立支援に向けた取り組みについてお話を伺いました。

06<企業>
総合印刷業
株式会社 小松写真印刷(コマツ・コーポレーション)

【お話を伺った人】

総務部 課長 小林聡さん(こばやしあき) (右)

総務部 広報課 木村泉さん(きむらいずみ)(左)

 

より良い仕事環境整備への課題ときっかけ

小松写真印刷は、あらゆる印刷物に対応できる人材と設備を強みに、お客様の要望に応える製品作りに取り組んできました。より良いデザイン・印刷物を作りあげるというクリエイティブな仕事は、追求すれば際限がなく、自分でゴールを決めなければ仕事に終わりはありません。そのため、以前は日常的に残業が多く、特に繁忙期になると長時間勤務になっていました。また、有休も取得しづらく、子育て中の女性社員には仕事を続けることが難しい、という状況がかつてはありました。会社としては、労働時間をできる限り短縮し、社員が時間や気持ちの余裕を持てるようにする。また家族との時間や趣味の時間などを充実させることで、心身ともに健康に、仕事の質やモチベーション向上にもつなげたい。そう考え、ワーク・ライフ・バランスを意識した取り組みに着手しました。

働きやすい環境づくりへの取り組みと、成果

2016年頃から段階的に、主に二つの取り組みに加え、社員の健康支援として、インフルエンザ予防接種や新型コロナウィルスのワクチン接種についての体制づくりや、テレワークへの着手などがあります。

  • 労働時間の短縮

労働時間を削減するために、各部署で曜日を決めて「NO残業デー」を実施しましたが、業務の都合でうまくいきませんでした。そこで、2016年から午後10時以降の残業を原則禁止に、2019年からは午後9時30分以降の残業を原則禁止にし、業務に集中できる体制に

  • 全社員へ「計画有休日」を

2019年4月の労働基準法改正により有休5日取得が義務化されましたが、業務の都合もあり取得しづらい環境でした。そこで、全社員が有給休暇を取得できる「計画有休日」を設定し、心おきなく休める体制へ

 

加えて毎年、産業医が来社してのインフルエンザ予防接種を実施するほか、新型コロナワクチン接種推進のため、接種当日を特別有給休暇日としました。現時点では、1回目接種率88.6%、2回目接種率78.8%と進んでおります。

労働時間を短縮することで、限られた時間の中で集中できるようになったと社員も実感しているようです。また「計画有休日」では「予定を立てやすくなった」「家族で過ごす時間が増えた」などと好評ですし、 現在では月平均残業時間が10.7時間まで短縮しています。

テレワークやリモートワークなどの働き方には、積極的に取り組んできませんでした。理由としては、テレワークに移行することで業務スタイルを大きく変えなければならなくなったり、チームで行う仕事では効率が下がるのでは、という懸念もあったからです。しかし、介護や育児の都合でテレワークを希望する社員が現れたことを機に、2020年に就業規則の見直しを行いました。今後も社員の希望に応じて、できる範囲でテレワークを取り入れていきたいと考えています。

働き方改革に着手するために、取り組みやすい事例

介護や育児などの事情がある社員に対する「時短勤務の取り扱い」です。きっかけは、社員から育児の都合で退職を考えている、と申し出があったことでした。会社としては、社員にはできるだけ長く働いてもらいたいと考え「育児が落ち着くまで時短勤務をするのはどうか」と提案し、本人も同意してくれました。8時30分-17時30分のフルタイムから時短勤務になったことで、忙しい朝と夕方に時間と心の余裕が生まれたようです。周りの社員の理解もあり、会社としてもうれしく思っています。

このような取り組みを円滑に推進するためには、普段から複数の社員で業務を共有することが大切だと思います。家庭の事情や予期せぬ病気などで休んだり、労働時間短縮の可能性があることを考えると、業務内容を一人の社員しか把握していないという状況ではいざというときに対応できないからです。日々のコミュニケーションを大切にし、不測の事態にも対応できる体制を整えていきたいですね。

働き方を整備するうえで大切にしていること

社員からの相談ごとには、スピーディーに対応するよう心掛けています。そのために大切にしていることは、困ったときにSOSを出しやすい環境を作ること、つまり社内コミュニケーションを円滑化することです。

以前は社内イベントなどで社員同士の親睦を深めていましたが、現在はコロナ禍で中止に。そこで現在では、以下のような取り組みを行っています。

  1. 昼休みの社員食堂でのコミュニケーションを大切にする
  2. 新入社員が一日も早く会社の雰囲気に慣れ、多部署の業務内容を知るため、研修期間中はすべての部署を回る
  3. コミュニケーションのきっかけになるよう、研修期間中は日報に毎日違う社員からコメントをもらう

こうした日々のコミュニケーションをとおして、何か困ったときに相談しやすい環境に繋がっていると思います。長く働いてキャリアを積んでもらうため、社員の声に耳を傾け、より良い職場環境に向けた取り組みを続けていきます。

働く人の声

宮田 奈都美(みやた なつみ)さん(制作部)

入社して17年。制作部に所属し、幅広い媒体の制作に携わっています。小学5年生と年長の子の子育て中です。

育休は第1子、第2子ともに1年間取得。復帰後にフルタイムとして働く選択肢もありましたが、子どもとの時間を大切にするため、それぞれ3歳になるまで時短勤務を選択。その後フルタイムに戻して1年働きましたが、家庭の時間がとれず心の余裕もなくなっていたので、会社に相談して再び時短勤務に。子どもと向き合う時間が増え、お迎え前に用事を済ませることができるので、余裕ができました。

一方で仕事にかけられる時間は限られますので、業務時間中は仕事に全神経を集中させています。今の自分ができる最大限の仕事をして会社に貢献していきたいと思います。

作ることが好きなので、子育てが落ち着いたら、ものづくりに没頭できたらと思います。時短勤務で同僚に助けてもらっているので、フルタイムで働けるようになったら仕事で恩返しをしたいですね。後輩が自分と同じ立場になったら、今度は私の番。その人の気持ちに寄り添い、助けたいです。

佐藤千春(さとうちはる)さん(総務部/web制作)

入社16年目で、小学5年生と3年生の子育てをしながら、総務部での社員の勤怠管理などの業務に加え、webサイトの制作にも携わっています。制作物として残るweb制作は大きなやりがいを感じますが、以前より業務量が増えたので、仕事の効率アップを心掛けています。

上の子の育休後はフルタイムで働いたのですが、終業後に急いで保育園へいくと、いつも息子が最後の一人に。その姿を見るのが辛く「子どもに寂しい思いをさせたくない」と下の子のときは会社に相談し、3歳になるまでは時短勤務にしました。そのおかげで子どもと一緒に過ごす時間が増え、時間の余裕は心の余裕につながることを実感しました。

残業になってしまう時は、実家の母が週2日ほど食事を作ってくれたり、子どもにご飯を食べさせたりと、とてもありがたいです。困ったときは会社や家族に相談して上手に頼りながら、今しかない子どもたちとの時間を楽しみたいです。また子育てが落ち着いたら、夜にゆっくりドラマを見たり、趣味を楽しんだりできたらいいなと思います。家族全員が元気でいてくれることが、私にとって一番の幸せです。

【企業紹介】

株式会社小松写真印刷(コマツ・コーポレーション)

事業内容:オフセット印刷、水性フレキソ印刷、web制作、写真撮影、映像制作、イベント企画・運営など

所在地: 山形県酒田市京田2-59-3

創 業:1902年9月

職員数:120名(男性68名、女性52名)

〈令和3年度山形県多様な働き方情報発信事業〉

    多様な働き方情報発信事業「多様な働き方~働き方、変わる変える~」取材記事についてお聞きします

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    Q2、記事を読んでみていかがでしたか?

    Q3、それはどうしてですか?理由をお聞かせください。

    Q4、今後も取材を続けますので、紹介したい女性や企業がありましたらぜひお答えください。(自薦他薦問いません)

    差し支えなければお名前を教えてください。